労働基準法第13条(この法律違反の契約)の条文
労働基準法第13条(この法律違反の契約)
この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。
労働基準法第13条(この法律違反の契約)の解説
趣旨:労働契約における最低限の労働条件の規定
本条は、労働基準法が最低限の労働基準を規定したものである旨を明記した労働基準法第1条第2項を受けて、最低限の労働条件を確保し、これを下回るものを無効である旨を明記しています。
このため、労働基準法の規定を下回る労働条件は、たとえ労使間の労働契約で合意があったとしても無効となります。
このように、当事者の合意よりも優先される法律の規定を、「強行規定」といいます。
なお、無効となった部分は、労働基準法の労働条件が適用されます。
用語の定義
「労働条件」とは?
【意味・定義】労働条件とは?
「労働条件」とは、一般に、労働者の職場における一切の待遇をいう。
労働条件は、労働基準法をはじめ、各種法律では明確な定義がありません。
ただし、日本国憲法第27条第2項の「勤労条件」は、ここでいう労働条件と同義であるとされています。
日本国憲法第27条
1 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
3 児童は、これを酷使してはならない。
なお、ここでいう労働条件には、具体的には、次のものが含まれます。
労働条件の具体例(一部)
- 契約期間
- 就業場所
- 業務内容
- 労働時間
- 休日
- 休暇
- 賃金
- 災害補償
- 安全衛生
- 福利厚生
「労働契約」とは?
労働契約は、労働基準法では定義がありませんが、労働契約法第6条で、次のような規定があります。
労働契約法第6条(労働契約の成立)
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。
【意味・定義】労働契約とは?
労働契約とは、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がその労働に対して賃金を支払う契約をいう。
労働契約法での労働契約の定義は、民法上の雇用契約とは若干表現がことなります(特に「使用されて」という部分)。
この違いに注目し、労働契約と民法上の雇用契約について、同じであるとする説(同一説)と別であるとする説(峻別説)があります。
ただし、実務上は、特に考慮する必要はありません。
「無効」とは?
労働基準法第13条(この法律違反の契約)違反の効果・罰則
すでに述べたとおり、本法に違反した労働契約の労働条件は無効となり、本法の労働基準が適用されます。
なお、本法違反には、特に罰則はありません。
労働基準法第13条(この法律違反の契約)の解釈例規
本条に関する行政の解釈例規はありません。
